オンデマンド印刷とは?
製版用のフィルムや刷版などを作成することなく、コンピュータで作成したデータを材料にダイレクトに印刷物を作成する印刷方式のことで、ノンインパクト方式とも呼びます。
オンデマンドって何?
オンデマンドとは「要求に応じて」の意味です。オンデマンド印刷とは、印刷方式そのものではなく、オンデマンド可能な印刷ということで、つまり欲しい時に欲しい分だけの部数を印刷することができます。
小ロットの印刷に最適
小ロットの印刷物を短期間で仕上げられるのがオンデマンド印刷の特徴です。従来の印刷では、どれだけの量の印刷物でも製版・刷版・印刷機のセットが必要で、手間とコストがかかりましたが、オンデマンド印刷は無版なのでこれらの工程は不要となります。モノクロだけではなく、高品質なカラー印刷もこなすので、小ロット印刷の主流となっています。
どんな印刷物に向いているの?
利用分野としては、カタログ・折り込みチラシ・各行事記念印刷物・個人向けDM・カラー名刺・年賀状など様々です。可変データの印刷に最適な印刷方式のため、ダイレクトメールの宛名印刷などにも利用されています。
おもなオンデマンド印刷機
インクジェット
小さなノズルから液体インキの微滴を吹き出し、紙に小さな点で文字や画像を印刷するものです。C(シアン・藍)・M(マゼンタ・紅)・Y(イエロー・黄)・K(ブラック・黒)の4色で大抵の色は表現されます。これにライトシアン・ライトマゼンタ・ライトイエロー等薄いインクを加えて、更に階調をなめらかにする方法が増えています。
プリンタごとに適合するインクによって耐水性が変わります。一般的に染料インクは水溶性、顔料インクは耐水性があります。プリンタによりますが、拡大すると色の点が見えます。インクの粒は滲んでいることが多いので、その色を塗った上に白い小さな文字等を配置すると読めなくなる事もあります。
レーザプリンター
内部のドラムと呼ばれる金属管にレーザ光をイメージの形に照射して静電気を発生させます。その静電気によって磁力を発生させ、そこにトナーを付着させ、紙に転写します。トナーはその後、熱と圧力によって紙に定着し印刷が出来上がります。
<特徴>
- 網点が見えない。
- インクが滲まないため、細かい文字まで再現できます。
- トナーの性質のため、表面に光沢がある紙に印刷しても印刷部分の光沢がなくなって見えたり、逆にトナーの部分だけが光沢を帯びたりします。
- 高熱で定着させるため、ビニール・合成紙への印刷は適しません。
オンデマンド印刷のメリット・デメリット
オンデマンド印刷(カラーダイレクト印刷)のメリットは?
- 小ロットでの印刷、または「種類が多数ある印刷物」に適している。
- スピーディな対応が可能になるため、スピード印刷が実現できる。
■オンデマンド印刷(カラーダイレクト印刷)のデメリットは?
- 広面積なベタ・アミカケ・グラデーションがあるとどうしてもムラがでる。
- 上下左右2mmほどのズレが生じやすいため、緻密なデザインの再現には向きません。
- プリンターを使用するため、紙の種類、大きさ、厚さに制限があります。
- 細かい文字はにじんでしまう可能性もあります。